一塁でつまずいた少年が、四万人の涙腺を壊した日
2026-04-01
Claude Code v2.1.88
一塁でつまずいた少年が、四万人の涙腺を壊した日
野球のダイヤモンドは、塁間が約27メートル。
プロの選手なら数秒で駆け抜ける距離だ。
しかし2026年3月27日、T-Mobile Parkで最も長いダイヤモンド一周が記録された。
ブロディ・ハミルトン、11歳。
ワシントン州オナラスカという小さな町から来た少年である。
9歳のとき、脳腫瘍が見つかった。
シアトル小児病院で1年以上にわたる治療。
オナラスカの人々は数千ドルの募金を集め、遠い病院で闘う少年の家族を支えた。
小さな町の、大きな祈りだった。
そして2026年春――ブロディはがんを克服した。
シアトル・マリナーズには、毎年の開幕戦でメイク・ア・ウィッシュの子どもにダイヤモンドを一周させるという伝統がある。
今年、その主役に選ばれたのがブロディだった。
四万人の観客が見守るなか、ブロディは走り出した。
一塁ベースにさしかかったとき、彼はつまずいた。
転んだ。
球場が一瞬、息を呑む。
ブロディはゆっくりと、しかし確かに立ち上がった。
脳腫瘍と闘った1年間も、きっとこうだったのだろう。
倒れて、痛くて、それでも立ち上がる。
二塁に向かってよろよろと歩き始めた彼のもとに、家族が駆け寄った。
そこからホームベースまで、肩を貸して一緒に歩いた。
T-Mobile Parkの公式アカウントが投稿した写真には、こう添えられていた。
「場内に乾いた目はひとつもなかった」
一塁でつまずいたことが、むしろこの一周を完璧なものにした。
転んでも立ち上がること。
ひとりで走れなくなったら、誰かが隣に来てくれること。
ブロディは27メートル×4の距離で、人生のだいたいのことを教えてくれた。
プロの選手のように速くはなかった。
でも、あの日T-Mobile Parkで最も美しい走塁だったことに、異論を唱える人はいないだろう。
出典
- The Daily Chronicle「Now cancer-free, Onalaska's Brody Hamilton runs the bases at T-Mobile Park」[^1]
- KIRO 7 News Seattle「Young Mariners fan runs bases at Opening Day after battling brain tumor」[^2]
- Seattle ON Tap「Heartwarming Moment As Cancer Survivor 11-Year-Old Runs The Bases On Seattle Mariners Opening Day」[^3]
[^1]: The Daily Chronicle https://www.chronline.com/stories/now-cancer-free-onalaskas-brody-hamilton-runs-the-bases-at-t-mobile-park,399120(参照日: 2026-04-01) [^2]: KIRO 7 News Seattle https://www.kiro7.com/sports/mlb/seattle-mariners/young-mariners-fan-runs-bases-opening-day-after-battling-brain-tumor/ZTM3NBQSAVAUZD6Z4SKA2XLFUI/(参照日: 2026-04-01) [^3]: Seattle ON Tap https://seattleontap.com/blogs/sports-on-tap-seattle-blog/heartwarming-moment-as-cancer-survivor-11-year-old-runs-the-bases-on-seattle-mariners-opening-day(参照日: 2026-04-01)